S三谷行政書士事務所

建物の移転工法

補償費算定の重要な要素となる建物の移転工法の解説です。移転工法の認定は建物の移転料以外の補償費の算定にも影響します。

建物の移転工法

建物の移転料は次の6種類の移転工法のうち最も妥当な工法を認定したうえで、工法ごとに所定の算定方式により補償額が算定されます。
補償金を受け取った後の実際の移転方法は補償費算定のための移転工法の認定に拘束されることは一切ありません。
補償費が最大となる移転工法の認定を目指しましょう。

  1. 構外再築工法
  2. 構内再築工法
  3. 曳家工法
  4. 改造工法
  5. 復元工法
  6. 除却工法

建物の移転工法の認定は建物の移転料だけでなく
仮住居補償や移転雑費の算定に大きく影響しますので最重要事項です。

再築工法

移転先の認定が残地か残地以外かで補償額に差がでます。

構外再築工法

残地以外の土地に現状と同種同等の建物を建築することが合理的な場合に採用されます。

構内再築工法

残地に現状と同種同等の建物又は現状の建物に照応する建物を建築することが合理的な場合に採用されます

再築工法の補償額の算定

建物の推定再建築費×再築補償率+取りこわし工事費-発生材価額
※再築補償率は1未満の数値ですから、当然かもしれませんが新築経費が補償されるわけではありません。

その他の工法

再築工法以外の工法が認定された場合は、当該工法による工事費がほぼ補償されます。

曳家工法

「ひきや」です。 曳家後の敷地と建物等の関係、建物の構造及び用途、建物の部材の希少性の程度等を勘案して、建物を曳家することが合理的と認められる場合に採用されます。 平成10年の改正で認定は限定的になりました。

改造工法

建物の一部を切り取り、残地内に増改築してその機能を維持することが合理的な場合に採用されます。

復元工法

文化財保護法等により指定されている建物など、原形で復元することが合理的と認められる場合に例外的に採用されます。

除却工法

支障となる部分がわずかでかつ、重要でなく除去しても機能に影響を与えない場合に採用されます。「移転」にはなりません。

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