自治会の法人化
法人化が認められた背景
従来、自治会や町内会といった組織は法人化が認められておらず、集会場などの土地・建物を所有していても、団体名での不動産登記ができないため
代表者個人の名義や役員の共有名義などで登記しているのが実情でした。
代表者や役員に変更があっても、変更登記の手続きがなされない場合もあり、名義人の転居や相続の際に財産トラブルが発生することが多く、
社会問題となっていました。
このような状況の解決のため、平成3年に地方自治法が改正され、自治会などの「地縁による団体」の法人化が認められました。
対象となる団体(地方自治法第262条の2第1項)
地方自治法の規定では「町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体」とされています。
- 婦人会、老人会、青年団といった住所以外の加入条件が付される団体は対象となりません。
- ○○太鼓保存会、□□先生顕彰会といった限定的な目的のための組織も対象外です。
- マンションの管理組合は、住所の他に区分所有権という要件が付されますから、この制度の対象外ですが、 「区分所有法」(建物の区分所有等に関する法律)に基づき、管理組合法人として法人格を取得することが可能です。
認可の要件
認可には4つの要件があります。
- その区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理等良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、 現にその活動を行つていると認められること。
- その区域が、住民にとつて客観的に明らかなものとして定められていること。 (区域は、「当該地縁による団体が相当の期間にわたって存続している区域の現況によらなければならない。」とされています。)
- その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が現に構成員となってていること。
- 規約を定めていること。
※次の事項を定めていることが必要です。- 目的
- 名称
- 区域
- 主たる事務所の所在地
- 構成員の資格に関する事項
- 代表者に関する事項
- 会議に関する事項
- 資産に関する事項
法人化のメリット・デメリット
自治会法人化のメリット
- 団体名義で不動産の登記ができる。
- 契約の主体となることができる。
- アカウンタビリティを向上できる。
- 社会的信用が高まる。
自治会法人化のデメリット
- 規約変更に市町村長の認可が必要になります。
- 名称、代表者、事務所などの変更の際には届出が必要です。
- 規約に基づく運営が求められ、手続きが煩雑になります。
認可申請
手続きの流れ

提出先
所在する市町村長に提出します。
提出書類
- 認可申請書
- 規約
- 認可を申請することについて総会で議決したことを証する書類(総会議事録)
- 構成員の名簿
- 保有資産目録(又は保有予定資産目録)
- 活動状況報告書
- 申請者が代表者であることを証する書類(代表者就任承諾書)
- その他市町村が指示する書類